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「企業は人」――長く言い古された言葉だが、その重みは今日も何ら変わりはない。
日本生産性本部が行った「JPCマネジメント・イシュー」調査結果(10年8月)によると、最重視する経営課題として「人材育成の強化」を挙げた企業は51.1%と過半数に上っている。また、日本能率協会の『2010年度 当面する企業経営課題に関する調査』では、「日本企業の経営における強みは何か」という問いに対し、回答した440社の経営者は「人材」というキーワードを最も多く挙げている。
低迷が続く日本経済。その行き詰まりを打開するブレークスルーを生み出すのは、やはり“ヒトの力”であることに疑いはない。そこでいま求められているもの――どんな人材を集め、どのような能力を発揮してもらいたいのか。また、そのために人を育て、能力を引き出す「場」となる組織をどのように組み立てればよいか。それらを維持・拡大していくために求められる施策・工夫とはどのようなものか。
直面する課題を並べ直すことは難しいことではない。しかし、そこに新しい答えを見出すためには、各論から論じる前に、いまの組織が求めている“ヒトの力”をもう一度見つめ直すことが必要ではないか。

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今回、私たちが始めたトライアル、「新しい日本の仕事力を生み出そう」プロジェクトでは、この素朴で何より難しい問題に、私たちなりの切り口からチャレンジしてみたいと考える。
まずは原点から考えよう。
そもそも「仕事の能力」とは何なのだろう。個々の仕事のやり方を知っている、それをこなすことができる――それまでと言ってしまえば、一見愚問のようにも見える。それでは「仕事ができる人」とはどんな人材を指しているのか?
普段、職場で何の気なしに「あいつは仕事ができる」「最近の若手(あるいは管理職)は仕事ができなくなった」「あの会社の仕事はいつもきちんとしている」といった言葉が交わされる。そこで言う「仕事ができる」ことの意味は、単に「個々の仕事がこなせる」ということだけにはとどまらないだろう。人事評価票に並ぶ評価項目と評価基準を見渡して、そこにあるいくつかの「○○力」が最も高いレベルにある人が“仕事ができる”のか?
残念ながらそうした人がほとんど実在しないであろうことは、多分誰もが知っている。
一見当たり前に思えてなかなか問い掛けられない、そして実際の答えもなかなか絞り切れない「できる人」「できる組織」が備える『仕事力』とは何か――を問うところからプロジェクトを始めてみたい。


