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問3では、仕事力の向上のために必要と考えていることと、そのために行っている具体施策について聞いた。ここでも多様な意見が寄せられているが、回答の全体としての最大の特徴は、問題意識が高い一方で、具体的にはこの施策をやっているという回答例が意外と少なかったことである(取り組んでいる22.3%、検討中7.2%)。 施策の類型としては、研修会・勉強会を筆頭に、人事ローテーション、キャリア申告、上司・人事部面談、情報共有ミーティング、OJT、意識改革など様々な手法が並ぶ結果となった。(図6)


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特定の具体施策を提示する回答が少なかった最大の理由は、仕事力の向上が、そもそも単一の施策で対応できるようなものではない、ということではないかと考えられる。こうした事情を示すいい例として、次のようなご意見があった。
「人事制度改革を進めているが、制度の形ではなく、むしろ意味を徹底し、運用にいろいろと手を打つことが必要。この認識は一致しているが、組織文化を変えていかなければいけない内容でもあり、なかなか難しい」。
働き甲斐のある活気のある職場こそが仕事力の源だとするならば、特定の人事施策、人事制度の変更だけでそれを実現することは極めて困難だ。他方、逆に考えるなら、これは、どのような施策、研修でも、ジョブローテーションでも、OJTでも、評価制度の改革でも、気持ちが込められ、その気持ちに則った工夫がされていさえすれば、仕事力向上施策になり得る、ということでもある。特定の施策ではなく、施策全体のあり方、さらには会社組織/風土全体を変えていくことがなければ始まらない。そうした認識が多くの人にあったことが、具体的な施策の回答が少なく、また回答自体もかなりばらけたものになった要因。こう解釈してもそう外れてはいないのではないだろうか。

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企業人、あるいは職業人としての仕事力。それは全体を見渡しての適切なプランニングと、それに基づくマネジメントを合わせた、ひとつの仕事あるいは現場のプロデュース力そのものであった。
では、こういった意味での仕事力はどのように育つものなのだろうか。
人間関係の希薄化が仕事力の衰えの大きな要因、という今回のアンケート結果は、この問いかけに対する大きなヒントをはらんでいるように思われる。
仕事力とは、個々のスキルや知識を単に積み上げることから出てくるのではなく、実際の現場で、様々な人間関係にもまれながら多様な問題にチャレンジしていく経験の中からしか生まれてこない。だからこそ、組織のマネジメント力の低下、社内外のコミュニケーションの欠落が、仕事力の衰退に直結してしまうのではないか。
個人が個人のままでいては仕事力は身につかない。組織がまともに動いてこそ個人の仕事力が生まれるのであり、そして、そうした仕事力の掛け合わせとして、組織の、企業全体のパフォーマンスが達成されていくのである。このことは、仕事力が、実は、その組織の活力そのものの反映であることを意味している。言い換えるなら、仕事力を生み出すには、組織自体の改善が必要となる。
人材教育とは、つまり、組織活性化のこと。これが今回のアンケートから見えてきたひとつの視座である。



