
-
2011年3月11日。死者、行方不明者合わせて2万人以上に上る大災害の姿は、それまで経験してきたものとはまったく異なっていた。あの時、次第に明らかになっていく東北の被災地域の、そして、福島第一原発の状況の報道を見て、あるいは実際に体験されて、時代そのものが軋みを上げて変わりつつある、そういう想いをもたれた方は少なくなかったと思う。
もしかしたら、この大震災の以前と以後では、日本の社会の在り方自体が大きく変わってしまうのではないか。そしてそれは、仕事の在り方、日本企業の存在の仕方そのものにも及んでいくのではないだろうか。決して大げさではなく、そういった予感が念頭をよぎった方も多かったのではないか。こうした問題意識を受け、労務行政研究所「仕事力プロジェクト」では、東日本大震災を受けて企業人の意識がどう変わったかをWEB調査により探ることとした。実施日は、震災後ちょうど2カ月となる2011年5月11日。対象は、従業員数30人以上の企業に属する管理職(課長職級以上)516人である。
日本の企業の管理職は、東日本大震災を、どう受けとめ、そしてそれを契機に自らと自らの会社をどのように見つめ直したのだろうか。

-
今回のアンケートの回答者で「自らの職場が直接被害を受けた」という比率は8.3%。直接被災された地域からの回答が少なかったにしては、かなりの比率に上った[図3]。これは、震災による直接の影響に加え、計画停電など二次的な被害の影響も大きかったためと見られる。このほか、「所属する職場は被害を受けなかったが、自社の別の職場が被害を受けた」32.9%、「自社は被害を受けなかったが取引先が被害を受けた」36.2%を加えると、実に全体の77.5%が何らかの影響を被ったという結果となり、東日本大震災が日本の企業社会にいかに大きなインパクトをもたらしたかを如実に示している。

-
何らかの影響を受けた企業のうち、30.8%が、対策組織の立ち上げや被災地応援、人事対応など「震災対応のために組織面での見直しや工夫」を行っている[図4]。また、直接的な被災地支援ということでは、69.8%が「会社としての義援金」を、53.7%が「職場や社員単位での自主的な義援金」を拠出、もしくは拠出予定。社員ボランティアの支援を行った/行う予定である(17.1%)、会社組織としての被災地への支援活動を行った/行う予定である(25.2%)など、実際に体を動かしての支援も多い[図5]。
「全国の支店から応援の人員、災害用に保管してあった水、食料、乾電池、日用品等を会社の災害復旧本部に集め、お客様からの要望に対応している」「ボランティアで訪問入浴サービスを派遣。オムツ等、高齢者用物資を寄付」「取引先の依頼で後片付けの支援をした」「顧客の在庫品等で損傷が出ているモノは無償で交換」(※)
自社は被害を受けていなくとも、ボランティアで、あるいは本業のフォローアップとして、多くの企業が震災に、被災地に、直接向き合っている。
※イタリック体は回答文からの引用。以下同様。


